試合前夜、何を考えているのか
都内のトレーニングジム。取材が始まる前、選手は軽くシャドーボクシングをしていた。その動きは無駄がなく、美しかった。
山田記者(以下、山田):試合前夜はどんな過ごし方をするんですか?
選手(以下、選手):意外と普通ですよ(笑)。好きな映画を観て、早めに寝る。緊張しないわけじゃないけど、「緊張は準備ができている証拠」って思うようにしてます。
山田:怖いという感情はありますか?
選手:あります。正直に言うと、毎回あります。でもその怖さを「力」に変えるのが、MMAファイターとしての仕事だと思ってる。怖くなくなったら、それは真剣じゃないってことだから。
格闘技との出会い
山田:格闘技を始めたきっかけは?
選手:中学のときにいじめられていたんです。それで「強くなりたい」と思って道場の門を叩いた。最初は本当に弱くて、毎日ボコボコにされてた。でもそれが悔しくて、悔しくて。その感情が今の自分を作ったと思っています。
山田:今、子どもたちに伝えたいことは?
選手:「弱くていい」ということです。弱いから強くなれる。完璧な人間なんていない。大事なのは、弱い自分と向き合い続けることだと思います。
これからの目標
山田:今後の目標を教えてください。
選手:世界のトップと戦いたい。日本のMMAを世界に証明したい。それだけです。言葉じゃなく、試合で証明する。それが私のやり方です。
インタビューを終えた後、選手は再びサンドバッグに向かった。その拳の音が、静かなジムに響き渡った。
取材・文:山田彩(BUSHIDO編集部)